中曽根工業高校
「そうなんだ」

ちぃは少し笑った。

ヒノケンもちぃの笑顔に少し安心した。

「うん」

「………………」

ちぃは天井を見上げて、小さくため息をはいた。

「ちぃの糸は……もう切れちゃいそう」

「え?ストラップ?」

ちぃは自分の好きなクリクリ様のキーホルダーを、ヒノケン同様にストラップにしていた。


「ちぃ?」

「……転校、しようと思ってる」

「んはぁ?!」

ちぃの急なカミングアウトに、ヒノケンはマヌケな声がでてしまった。

「前から…言われてたんだけど…お父さんの単身赴任先に、お母さんと来ないかって…田舎の方だから、空気がキレイだし…ちぃの体にもきっといいよって……」

「…………」

ヒノケンは俯いた。

「だから……」

「ちぃ」

しかし、何かを決心したように顔を上げた。

「ん?」

「わがまま言っていいか?」

ゴクリと、唾を飲み込んだ。

「……なに?」

「もう少し……頑張れねーかな…?」

「え……?」
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