one contract
放課後、部活も終わって疲れた体で生徒会室へ向かった。
昼休みよりは沢山喋れるといいな。
と思いながら扉の前へ。
扉は、少しだけ開いていた。
その隙間から少しアオちゃんの姿が散り散りに見える。
その扉に手を掛け様とした瞬間、アオちゃんと女の子の声が耳に入ってきた。
そういや、アオちゃんって凄くモテルんだったなぁ。
ボクは扉に掛け様とした手を引っ込めた。
邪魔しちゃいけないな。
そう思ったからじゃない。
なんだか、嫌な予感がしたから。
すごく、
凄く。
そして聞こえてくる会話。
『ゴメンね、急に』
『珍しいわね、葵君から誘うだなんて』
『うん、まぁね』
『最近何にも言ってくれないから、寂しかったのよ』
‥‥な、なに?どういう事?
『‥‥‥はい、好きなだけ飲んで』
‥の、む‥‥?
『じゃあ、お言葉に甘えて』
女の子の手首に噛み付くアオちゃん。
高く息を吐く女の子の呼吸。
そしてこちらを伺う、アオちゃんの瞳。
‥‥う、そ。‥アオちゃん‥‥
ボクはその場にいれなくて、いたらいけない様な気がして、駆け出した。
走って、走って、ひたすら走った。
今アオちゃんが居る場所から一番遠くに行こうと。
ちょうど校舎の角を曲がった時。
ボクは死に物狂いで走っていたから人の気配に全く気が付かなくて、勢い良く人にぶつかってしまった。
「‥‥ッ」
「ぅひゃぁ‥‥ッ!!」