one contract

one contract -mark 6- 菫目線




ボクが倒れて以来、アオちゃんは血を求めてこなくなった。
理由を訊こうとしても上手くそれを避けられたり、

「‥‥ねぇ‥」
「今日も、要らないからね」

要らないの?と訊く前に断られる。
アオちゃん、あの日からおかしいよ?
なんか、ボクを見て辛そうな顔をする事が多い。
それに何故かボクの体調を気にする。

今日だってもう5回以上も
辛くない?とか、
体ダルくない?とか。

確かに最近目眩がしたり、足がふらついたり、倒れたりだったけれど。
どうしてそれをアオちゃんが気にするの?
別に良いんだけれど‥‥、やっぱりおかしい。



アオちゃん、本当にどうしたの‥‥?



あの日から、アオちゃんとボクの空気はどんどん重たくなっていっている気がした。
いつもと変わらずに優しく鳴る筈の学校の鐘は、重たく鳴ってボクに降り注ぐ。
昼休み、終わりだ。
ソファーに預けていた体をそっと起こして立った。
重く感じる空気のせいか、ボクの体はここに来た時よりも重たく感じた。

「‥‥放課後、また来るね!お茶、ご馳走様」

頑張って作った笑顔をアオちゃんに向けて、アオちゃんの言葉を聞く前にボクは逃げる様に生徒会室を出た。

なんか、煩いな‥‥―――――



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