彼女と私と

彼女の出現

私は、泣いていた。

顔も、服も、心も。
しみるほど泣いていた。


『泣く』よりも『悲鳴』の方が、あっているかもしれない………


こんなに。
こんなに甲高く不快な悲鳴をあげながら泣くのは、初めてだ。


人目を気にせずに、道路に横たわるのも初めてだ。


人を…………
人を殺したのも…初めてだ。
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