楽天家の願い事
どれくらいそうしていたのだろうか。
気づけば太陽と月が交代し、もう一度太陽が昇るところだった。
――後6日
すっかり「存在し続けること」の気力をなくしていた私でも、きっちりカウントダウンはしていた。
さて、後の6日間どう過ごさしてもらいましょうか?
あれこれ思案するつもりもないが、貴重な6日間であることに変わりはない。大事にしたい。
そんな時、ある光景が目に入った。
車に轢かれたのであろう鳥の死体だった。
まず、始めに可哀想と思った。
次に、怖いと思った。
鳥の様に私は死んでも「死体」など残らない。
本当に消えてしまうのだ――
何も残らない。怖い。