改定版・トラウマ
「夢羽。」


健一は、私の名前を呼んで抱きしめた。


なんで?


「やだ。
離して。」


私は、抵抗した。


健一に比べたら、弱い私には無力だったけど。


でも、嫌だった。


「好きな女が泣いてたらほっとけないだろ?」


「だったら....
近寄らないでよ。」


そしたら、泣くことなんてない。


「やだね。
理由、教えろよ。」


健一は、俺様で自己中。


「なんで....?」


私のことなんて、気にしなければいいのに。


「だから好きな女のことは、なんでも知りたいの。
喜びや痛みやすべてを。」
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