another contract
目の前に広がる絶望、
赤。
それを目にした私は唖然と立ち尽くした。
鉄が錆びた様な臭いがそこら中に漂っていて、鼻を刺激する。
私に気づいた2人の男の人が寄って来て、私を部屋の中に突き入れた。
ドサッと倒れている人の隣に倒れこむ。
手に、なにか生暖かい水の様な‥‥
でも、違う。
少しベタベタとした感触。
何、コレ‥。
ソレが何なのかは、目では、鼻では分かってる。
ただ頭が付いていかないだけ。
この状況に、脳はシャットダウンした様な状態。
これは赤い絵の具だと、そう思いたかった。
でも‥
紛れもなく、手に付いているモノは、血。
紛れもなく、倒れて血を流しているのは‥‥
「‥っ、紅さん‥‥ッ!!」
私は倒れている紅さんを仰向けにして、上半身を抱えた。
顔をみれば‥‥とても、とても苦しそうで。
体中は痛々しい程の傷やアザだらけ。
でも、顔だけはまだ何の危害も加えられていなかった。
「っ、‥‥も、も?」
「こ、紅さん‥‥」
意識はあった。
でも、あまりハッキリしてなさそう。
私の目からは次々と涙が出てきた。
良かった、死んでいなくて。
そう安心した。
良かった、会えて。
再会が嬉しかった。
でも、どうして?
どうしてこんな事になってるの?