【短編】冬、雪が止み、そして 星
゙駄目だよ メルーシェ″

「あら どうして?」


゙君がいなくなったら 他の人が心配するよ″


「あの人達は そんな心配しないわ…むしろ
いなくなったら いなくなったでいい と 思うはずだわ。」


゙そんな事ないよ…″
コルヌは困ったように言った

゙それに 僕が出発したら君は追いつけない…″

「なぜ? 」


゙僕は星で、君は人間だからさ…。君がどんなに早く走っても 僕はその 10倍も100倍もの速さで行くんだ。″

コルヌは悲しそうな声で言った

「じゃあ どうやったら いつまでも一緒にいれるのよ。」

メルーシェは半分涙目であった

゙ここで気持ちのいい 分かれをしよう″


゙それに 僕は君の心にいるから いつでも 会えるよ…″


メルーシェはなお不満気だったが その言葉を聞いて 安心したようだ

「そうね また会えるわよね……。」


゙うん…″

コルヌは苦笑いした

「いつ 出発するの?」

゙明日には たぶん…″


「そう… 分かった…
じゃあ 明日はお別れ会 しましょ… 二人だけの 二人のためのお別れ会…。ね?」


゙うん…″


「じゃあ… また… 明日ね…。」


冬が終わろうとしているのに、珍しく冷え込んだ夜であった。
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