Bitter Love〜苦くて切ない恋〜
中沢さんと、繋がった。

あたしは、彼を受け入れたのだった。

チュッと、中沢さんが額にキスした。

あたしと繋がった合図みたいで、すごく嬉しかった。

「愛してる…」

独特のテナーボイスで、中沢さんがあたしの耳にささやいた。

「雪を、愛してる」

腕の中で、あたしはその言葉を聞いていた。

あたしだけにささやかれる特別な言葉みたいで、すごく嬉しかった。

答えてと言うように、中沢さんがあたしを見た。

もっと言ってと、あたしは彼の目を見ながら思った。

あたしに、言って。

“愛してる”、って。

言う代わりに、あたしは手を伸ばして、彼に触れようとした。

けど、その手は、彼につかまれた。

イジワルそうに笑みを見せると、その手にキスをした。

あたしに言わせようとしてるんだと思った。

「愛して、ます…」

吐息のように消えてしまいそうな声で、あたしは言った。

中沢さんは嬉しそうに笑うと、ご褒美とでも言うように、キスをした。

甘くて、深いキスを。
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