FAKE‐LAKE
「私はね、世界で一番幸せになってやるの。世界一好きな人と一緒になって世界一幸せなおばあちゃんになるんだ」
子どもも世界一可愛いくて、あ、曾孫もやしゃごも見るつもりよ。
矢継ぎ早に話すリーナに置いてかれているアツキを振り返り、彼女は言った。
「……それが母を殺した犯人への、私なりの復讐なの」
ドクン、とまた心臓が反応する。
「あなたは私の大切な物を奪ったけれど、おあいにくさま。私は最高に幸せなのよ、ってね」
気丈な台詞とは裏腹なリーナの悲しげな瞳にアツキは思わず彼女の手をひいた。
「アツキ……?」
腕の中にぐいと引き寄せる。
「アツキ、どうしたの?」
何かを言いたいのに涙に邪魔されて言葉にならず、アツキはただ彼女を強く抱きしめた。
いつも明るくて笑顔を絶やさないリーナが、そのためにどれだけ努力してきたか。
結婚まで約束した愛しい人を突然奪われたセティが、どんな思いで悲しみを越えてきたのか。
『あんたに何が分かるんだよ!』
知らずにぶつけてしまったひどい言葉を後悔した。何も分かってないのは自分だったのに。
「……そっか、アツキもお兄さん亡くしたんだったね」
リーナはアツキの背中に手を回した。
「辛かったでしょ? 私は叔父さんがいたけどアツキは一人ぼっちになっちゃったんだもんね」
でももう大丈夫よ、とリーナはアツキを見上げる。
「叔父さんと私がいるもの。アツキは一人じゃないよ」
優しい言葉はかえって自己嫌悪に拍車をかける。アツキは激しく首を横に振った。
「俺はリーナが思ってるようないい人間じゃない。二人に優しくしてもらえる資格なんて無いんだ」
「どうして?」
リーナはアツキの目をまっすぐ見て聞く。
「“シャドウ”だから?」
アツキの表情が硬くなった。一番知られたくない人に一番知られたくない事実を口にされて、一瞬息が止まった。
子どもも世界一可愛いくて、あ、曾孫もやしゃごも見るつもりよ。
矢継ぎ早に話すリーナに置いてかれているアツキを振り返り、彼女は言った。
「……それが母を殺した犯人への、私なりの復讐なの」
ドクン、とまた心臓が反応する。
「あなたは私の大切な物を奪ったけれど、おあいにくさま。私は最高に幸せなのよ、ってね」
気丈な台詞とは裏腹なリーナの悲しげな瞳にアツキは思わず彼女の手をひいた。
「アツキ……?」
腕の中にぐいと引き寄せる。
「アツキ、どうしたの?」
何かを言いたいのに涙に邪魔されて言葉にならず、アツキはただ彼女を強く抱きしめた。
いつも明るくて笑顔を絶やさないリーナが、そのためにどれだけ努力してきたか。
結婚まで約束した愛しい人を突然奪われたセティが、どんな思いで悲しみを越えてきたのか。
『あんたに何が分かるんだよ!』
知らずにぶつけてしまったひどい言葉を後悔した。何も分かってないのは自分だったのに。
「……そっか、アツキもお兄さん亡くしたんだったね」
リーナはアツキの背中に手を回した。
「辛かったでしょ? 私は叔父さんがいたけどアツキは一人ぼっちになっちゃったんだもんね」
でももう大丈夫よ、とリーナはアツキを見上げる。
「叔父さんと私がいるもの。アツキは一人じゃないよ」
優しい言葉はかえって自己嫌悪に拍車をかける。アツキは激しく首を横に振った。
「俺はリーナが思ってるようないい人間じゃない。二人に優しくしてもらえる資格なんて無いんだ」
「どうして?」
リーナはアツキの目をまっすぐ見て聞く。
「“シャドウ”だから?」
アツキの表情が硬くなった。一番知られたくない人に一番知られたくない事実を口にされて、一瞬息が止まった。