FAKE‐LAKE
アンジェは暖炉にまきをくべ、火をつけた。雪の降らないリアレスクも冬の朝は冷える。
「おはようアンジェ、早いね」
まだ寝ぼけまなこのレイがとんとんと二階から下りてきた。寒いのか毛布に包まったままだ。
「火がついてから起きてくればいいのに」
「んんー」
レイは眠そうに目を擦り、暖炉の前に座っているアンジェの背中にくっつく。
「こらレイ」
「へへ、あったかい」
素直に甘えるレイに自然と笑みがこぼれた。ニールが末っ子には弱いと言っていた気持ちが分かる気がする。
「そういえばさ、アンジェ」
レイの声が背中に響いて聞こえる。
「あれから先生何も言わないね」
レイの言う通り、あの日から医師は以前と同じに戻った。優しく話し掛けるけれど青い鳥の話も友達の話もしなくなった。