FAKE‐LAKE
「リアレスクは遺跡と揶揄されるほど発展途上で平和な田舎街ですが、周囲の国はそうではありません。政権が変わる前のロスタナと他国の関係は博士もよくご存知でしょう」

う、と博士は詰まる。

「“R”は国境を簡単に越えられる程目立たない姿ではない。無論、博士のおっしゃる“特殊”な何かを使っているなら別ですが」

厭味か、と軽く睨む博士に、彼は少し口調を和らげた。

「どちらにしろ噂が広まるはずです。そうでない事と状況証拠を合わせて考えると、リアレスクのどこかに隠れていると考えられます」

きっぱりと言い切る彼に、博士はわざとらしい大きな溜息をついて言う。

「自信たっぷりなのは結構だが、結局は何も掴めていないのだろう?」

「その通りです」

さらりと肯定して博士の厭味をかわし、彼は一枚の紙を差し出した。

「なんだ、これは」

博士は怪訝そうに紙を受け取り、目を通す。

< 146 / 563 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop