FAKE‐LAKE
「くすぐり返し!!」
 一生懸命脇をくすぐるレイにニールはニヤリと笑う。
「残念でした! おれ全然こそばゆくないもんねー」
「ええー、それ変だよニール」
 仕返し失敗が悔しいのか、レイは『こそばゆくなれー』と言いながらさらに脇をくすぐる。
平気だよーと余裕をかましているニールの首筋に、後ろから近づいたアンジェがそーっと手を触れた。
「じゃあ……ここ?」
「〇☆※*!」
恐らく誰も解読出来ない奇妙な言葉を発してニールは身をよじらせた。
「やっぱりね」
ふふふと嬉しそうに笑うアンジェにニールは叫ぶ。
「あ、アンジェ!! お前そんな大人しそうな顔して性格悪いぞ!」
「え? 何の事?」
純粋そうな笑顔でアンジェは笑う。憎たらしい。
「やった! ニールの弱み発見!」
 レイはお返しだとニールの首をくすぐる。
 やめろーと叫びながらニールはアンジェのベッドに倒れ込み枕で首を隠した。
 家中が笑いでいっぱいになる。幸せな時間が過ぎていく。


 さんざん騒いで疲れたのか、二人とも早く眠りについた。
 ニールは毛布に包まり床に寝ている。時々むにゃむにゃ寝言を言っているが何を言っているかは聞き取れない。
 アンジェと一緒に寝るんだと言ってニールにお子ちゃまとからかわれていたレイも、隣ですやすやと寝息をたてている。
 月明かりが差し込む静かな部屋で、アンジェ一人眠れずにいた。
 レイを起こさないようにそっと抜けだし、足音を忍ばせて階下に下りる。
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