FAKE‐LAKE
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「アンジェ! アンジェ!」
 ベッドに横になり、うとうとしていたアンジェはレイの叫び声で目を覚ました。
 今朝ニールを見送るまで眠れなかった。そのせいで今頃眠くなってきている。
「何? レイ」
 目を擦りながら起き上がると、素焼きの鉢を一つ抱えたレイが頬を紅潮させて部屋に飛び込んできた。
「芽が、芽が出た!」
「……目?」
 寝ぼけているアンジェの前にレイは興奮気味に鉢を差し出す。
「杏の芽が出たの!!」
 え、と驚いて見直す。盛り上がった土の間から新芽が少しだけ顔を覗かせていた。
「すごい、まだ冬なのに。やっぱり家の中で育ててるからかな」
 アンジェは小さな芽を指先でちょんと触る。
「すっごい嬉しい! ニールにも見せてあげればよかった」
 寝坊しなきゃよかった、と残念そうに言い、レイはアンジェのベッドに腰掛けた。
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