FAKE‐LAKE
レイは家に人を連れていく事に迷いを感じたが、一秒でも早くアンジェを楽にしてあげたい気持ちの方が強かった。

家から鞄を持ってきた男性と一緒に早足で家に向かう。

早く、早く。レイは急いだ。早く、アンジェに薬を。

家につく頃には辺りはすっかり暗くなっていた。月明かりを頼りに医者がついて来ているか確認する。

「アンジェ!」

レイは急いで坂を上った。鍵を開ける。慌てているせいか手が震えた。

「アンジェ、お医者さまが」

扉を開けようとした時、突然後頭部に重たい衝撃を感じ視界が暗くなった。

ぷつり、と意識が途切れる。


気を失って入口の地面に崩れ落ちたレイの帽子を、ついて来た“医者”が乱暴に掴みとった。

現れた水色の髪に彼は満足そうな笑みを浮かべる。


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