FAKE‐LAKE
信じて、大丈夫?

レイは迷った。もし、悪い人だったら……。

男性は人の良さそうな微笑みを浮かべてレイの顔を覗き込む。

この人を信じて、いい?

レイはアンジェの苦しそうな顔を思い出した。そうだ、早くしないとアンジェが――

ぎゅっと拳を握って不安を抑える。

信じよう、人を。きっと大丈夫。

「あの、兄が病気なんです。でも薬が無くて」

レイの話を聞いて男性はおや、と目を見開いた。

「お兄さんはどんな具合なのかな」

「胸を抑えて苦しんでます。いつも飲んでいた薬が無くなって、それで」

「どれ見てあげよう」

男性は真剣な表情で言った。レイは驚く。

「私はこの街の医者だ。ある程度の薬は準備出来る。すぐに診察してあげよう」

「えと、家は遠いんです」

「かまわないよ。病人を助けるのが医者の役目だ」


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