FAKE‐LAKE
「本当に黄緑色だ」
 自分を覗き込んでいるシアナの姿に驚いたのか、レイは目を見開いた。
「綺麗な色だな、お前の瞳」
 殴られると思ったのか、シアナから逃げようとして体を動かしたレイは激痛に呻いた。
「動くな、じっとしてろ」
 ぽん、と頭に手をのせ、シアナは溜息まじりに言う。
「見張っててやるから、少し眠れ」
 シアナはレイの横に座り、壁にもたれた。案外冷えるな、と独り言を呟く。
 最初は睨みつけていたレイも、シアナが乱暴しないと分かって素直に目をつぶった。
 三十分位の間、シアナはレイの様子を観察していた。改めて見ると、予想はしていたが酷い有様だ。
 お前よく生きてるな、と呟く。眠れているのかは分からないが、レイは反応しなかった。
「さて、そろそろ戻るか」
 手枷を嵌め直そうと動いたシアナの服が、くい、と引かれた。何に引っ掛かったのかと振り返ると、レイの細い指が縋るように裾を掴んでいた。
 ぎゅっと握るその手を離そうとしてシアナが触れた時、レイは虚ろな目を開けて呟いた。
「……そばに……いて」
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