FAKE‐LAKE
「なかった、んだ」

「え?」

「袋だけ、で……薬が入ってなかった」

「そんなどうして」

聞いても仕方ない事と思いながらレイはそう尋ねていた。

「ニールが……来るまで大丈夫だと思ったのに、やっぱり駄目だっ……」

ぐらり、とアンジェの体がレイに寄り掛かる。

痩せてはいるけどいつも元気そうで、本当に病気なのかなと不思議に思っていたけれどそれはアンジェが毎日薬を飲んでいたからで。

やっぱり病気なんだ。苦しそうなアンジェの姿に、その事実を思い知らされる。

「ど、どうしたら……?」

おろおろしながらレイが尋ねるとアンジェは弱々しく笑って答えた。

「出来たら……ソファーに……」

「分かった」

レイはアンジェを支えて階段を下り、ソファーに横にならせた。二階から毛布を持ってきてアンジェにかけてあげる。

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