FAKE‐LAKE
「叔父さん!」

気を失っているのかと思い、慌てて肩を叩くとセティは目を開けた。目を開けた事にほっとしたけれど、顔色はかなり悪い。

「何だ」

リーナはずれおちた眼鏡を外してあげる。

「食事は?」

セティは答えずに微笑んだ。そう言えばシェアラにもよく同じ事を聞かれた。やっぱり親子だな、と思う。

「ね、食事は?」

「ちゃんと食べてるぞ」

「……嘘」

リーナは怒っていた。アツキと喧嘩でもしたのかとからかおうとしたが止めておく。目が真剣だったから。そして何となく怒りの原因を察したからだ。

「最近、随分痩せたじゃない」

「仕事で走り回ってるからな」

「それだけじゃないでしょ」

リーナの鋭い瞳から目を逸らし、セティは笑ってごまかす。

そう、食べられないのだ。無理に食べても吐いてしまう。それが何のせいか、医師であるセティには分かっていた。

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