FAKE‐LAKE
「よかった! 忘れちゃってたらどうしようと思った」

少年――レイはアンジェにもう一度抱き着いた。そして涙声で言う。

「ただいまアンジェ」

アンジェは片手で彼を抱きしめた。

温かい。この温もりは、幻覚でも幻想でも無い。

「……っ……」

伝えたい気持ちが言葉にならない。

二度と会えないと思っていたレイが。亡くしたはずの家族が。

今、目の前にいる。腕の中で息をしている。


アンジェはレイの顔をもう一度見つめた。


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