FAKE‐LAKE
「……まさか」

アンジェは自分にしっかりとしがみつく少年を引き離した。

そう、レイであるはずない。生きていれば十八歳。あの頃より成長しているはずだ。

ああ、だけど。

「アンジェ、左腕どうしたの?」

どうしてこの少年は僕の名前を知っているんだ? そして僕が『アレン』である事も。

アンジェは黙ったまま震えていた。少年は寂しそうにアンジェを見つめて尋ねる。

「僕の事、忘れちゃった?」

忘れるはずない。そんな訳無い。ただ、不安なんだ。

君は不意に消えてしまう幻想ではないのか。レイに会いたいと願う気持ちが僕に見させている幻覚なんだろうか。

「レイ……?」

アンジェが恐る恐る尋ねると、少年の顔がぱっと輝いた。


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