FAKE‐LAKE
「今、何をした? お前は自分の力を知っていたのか」

レイは黙って顔を背けた。この男に答える必要はない。

しかしその沈黙はかえって肯定の返事になっていた。博士は低く笑う。

「そうか。知っていたなら好都合だ」

博士はレイを引きずり下ろし、違うガラスに触れさせる。

「ほら、割ってみろ。さっきのように」

じっと俯いたままレイは力を使わない。それは博士の知りたい事の十分な答えになっていた。

「コントロール出来るんだな」

博士はニヤリと笑う。黙っているレイを引きずってどこかに連れて行こうとした。

「や、何する離せ!」

逃げようともがいたレイは体全体に激痛を感じた。体力がある程度戻ったとはいえ、虐待されて受けた傷が治った訳ではないのだ。


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