FAKE‐LAKE
博士はレイを隣の部屋に連れていった。ガチャ、と博士の背後で自動的に鍵が閉まる。

「嫌だ、離せ! あんたの言いなりにならないって言っただろ!」

何とか逃げようと暴れるレイの腹を博士は殴り付けた。

「何とでも言え。そんな大口叩けるのは今日で最後だ」

息が出来ず呻くレイの両手を掴んで博士は笑う。不気味な笑み。

肩幅程の距離に並んだ二本の柱に、動けずにいるレイの手首を片方ずつ縛り付けた。力を使って逃げられないようにするためだ。

「お前も最後くらい生まれた場所で過ごしたいだろうからな」

博士はわざとらしくレイの頬を撫でた。

「う、生まれた……場所?」

「見覚えがないか? お前はこの部屋で生まれたんだぞ」

博士の言葉にレイの表情が変わる。

「嘘だ! 僕が生まれたのは」

「お前は」

レイの言葉をさえぎり、博士は無形の銃口を彼へ向け、引き金を引いた。

「お前は私が設計した装置で育てた人工生命体なんだ」


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