FAKE‐LAKE
食事をしながら会話は弾む。アルの旅の話。マスターの人生論。

たまに相手の話に茶々を入れながら、楽しい会話は尽きない。

アルは不思議な子だ。マスターは改めてそう思った。人を自然と笑顔にさせる何かがある。

「また来年、このくらいの季節に来るね。マスターは屋台続けるでしょ?」

「もちろん」

閉店時間になり、二人はレストランを出た。ひんやりした風が首元を通り過ぎ、秋の深まりを感じさせた。

「来年はもっとかっこよくなって現れるからね。背なんかぐんぐん伸びちゃってさ」

「あれ、諦めたんじゃないのか?」

「もう、マスターの意地悪っ」

夢は見ておくものなの、と言ってアルは笑った。


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