FAKE‐LAKE
「なんか面白い記事あった? ばば様」

新聞を受け取ろうと手を伸ばすニールの頭を、ルミカは新聞でぱんと叩いた。

「奥様とお呼び」

「うへ、気持ち悪い」

もう一度叩こうと振り上げた手から新聞を奪い取る。

「全く、行儀悪い子だね」

「ばば様の躾が行き届いてるからね」

勝ち誇っているニールの人懐っこい笑顔に、ルミカのしわの寄った目尻が下がった。

仕事に関しては大人に負けないニールも、ルミカと言い合っていると子どもの顔に戻る。

そんな彼の姿を見て、アルクは目を細めた。

十歳の時から雇っている親友の息子が、曲がらず素直に成長している事が嬉しくて。

それだけに、ニールが『坊ちゃん』と親しくなり始めた事に一抹の不安を感じていた。


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