FAKE‐LAKE
「すぐに二人を連れて逃げる、ぼけっとするな!」

鋭いシアナの怒鳴り声でアツキは我に帰った。そうだ、時間がない。

アツキはセティを背負い、シアナはレイを抱えた。研究室を出ようとシアナがカードキーをかざしかけたその時。

「なっ」

ふっ、と電気が消えた。窓がない研究室は真っ暗になる。

「開かない……?」

手探りで何度キーをかざしても開かない。シアナはレイを腕から下ろし、扉をこじ開けようとしたがびくともしなかった。

「どうして……」

背中にいるセティの胸ポケットで何かが振動している。そうだ、とアツキは気がついた。

「国家警察が基地に着いたんだ。セティと連絡が取れなかったから、博士が逃げないように基地の全機能を停止させたんだろ、セティがそんな様な事を言ってた」

「って事は」

レイが、そして忍び込んだ自分達が捕まるのは時間の問題。

暗闇の中、二人は顔を見合わせた。

絶体絶命の危機。


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