FAKE‐LAKE
二人はセティを抱え、レイの後を追って壊れた扉をくぐり抜けた。

先を行くレイの姿は月明かりのような青白い光に包まれている。時々火花を散らすその光を目印に、暗い基地内を進んだ。

どんな扉も、時には壁も破壊して進んでいくレイ。

彼の両手から稲妻のような光が走り、触れた物は何でも木っ端みじんに砕けた。

暗殺用の兵器。レイが生まれた――造られた理由。

確かに一瞬、何気なく触れただけでレイは人を殺せるだろう。

しかしそうする事を――兵器になる事を、あれほど残酷に虐待されても頑なに拒んだレイの意志の強さにアツキは尊敬の念を抱いた。


恐らく最後と思われる壁の前で、ふら、とレイはよろめいた。

「レイ!」

支えようと手を伸ばすシアナをかわし、レイは鋭い声で言う。

「さわる、だめ!」

肩で大きく息をし、ふらつきながらもレイは灰色の壁を吹き飛ばした。

冷たい冬の風が頬を掠める。

「出口だ」

シアナが低く呟く。そこは基地の裏側、外へと直接抜けられる唯一の場所だった。


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