FAKE‐LAKE
「だからあんなにまでこだわってたのか」

アツキは深い溜息をついた。

決してしてはいけない事だ。でもそうしたくなる気持ちはわかる。リーナと結婚した今、余計に。

「博士がレイを虐待したのは、奴らに対する恨みもあったんだろう」

「どういう意味だよ」

「復讐の道具としてレイを作る一方、この兵器さえ作れと言われなければ妻も息子も死なずに済んだのにと……まあ、逆恨みだが」

セティは窓の外に目をやり、ぽつりと呟く。

「難しいよな、人の心って」

「人の心?」

アツキはセティが何を言いたいのかわからず聞き返した。

「博士がレイを虐待したのは、愛する者を奪われた深い悲しみからくる憎しみのせい。じゃあ博士を虐待して命令に従わせた奴は?」


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