FAKE‐LAKE
「いつか思い出せるかな」

そう呟くレイに、セティは微笑んで言う。

「必ず思い出せるさ。いつか、きっと」




翌年の春、レイはセティの家を旅立った。

「もっと沢山の人に会って、いろんな事経験したいんだ。ちゃんと連絡するし、冬には帰ってくるから」

意外な事に、奇術を仕事にして各国を旅すると言うレイの決定に一番反対したのはアツキだった。

「また捕まったらどうするんだよ」

「大丈夫。その時は気絶させて逃げるから」

笑って答えるレイにセティが頷いて言う。

「ま、ある意味それがあるから安心だな。ただ、くれぐれも滅多なことで使うなよ。正体がばれる危険もあるし、かなり体力が奪われるからな」

「うん。最悪の事態の時だけにするよ」


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