FAKE‐LAKE
「ウィリス・フロスト、情状酌量の余地ありで自宅軟禁だってさ」
数ヶ月後、パンをかじりながら新聞を読んでいたアツキは、隅に小さく載せられた記事を見つけてセティに報告した。
「そうか」
撃たれた時の後遺症で半身不随になったセティは、慣れた手つきで車椅子を回転させ新聞を受け取る。
極度のストレスによる胃潰瘍もすっかり良くなり、以前より元気なくらいだ。
「情状酌量の余地ってなんだろうな。ま、軟禁されてんならレイを探したりは出来ないだろうけどさ」
アツキは椅子にまたがって欠伸をした。
「……いつ目を覚ますんだろうな、レイ」
レイはあれからずっと眠り続けている。体の傷も癒え、呼吸も安定しているが意識を取り戻さない。
セティが回復して退院すると同時に、レイもセティの家に移した。ほとぼりが冷めるまで身を隠す意味も込めて。
空いている部屋が沢山あるのでそこに点滴等の機材を運び込み、シアナがかかりきりで看ている。