FAKE‐LAKE
「奇術を覚えて、それを仕事にして。いろんな国を旅して沢山の友人や笑顔に出会えた」

心なしかレイの声が少し和らいだ。旅の途中で出会った沢山の笑顔を思い出す。

「心から幸せだと感じた時、どうしてもあなたに言いたい事が出来たんだ」

博士は何を言われるのかと一瞬身構える。

レイは目を上げ真っすぐに博士を見つめた。

笑顔ではないその瞳には、怒りも憎しみも浮かんではいなかった。

「僕を……作ってくれてありがとう」

博士は耳を疑った。

「え……?」

レイはゆっくりと繰り返す。

「僕を作ってくれて、この世に存在させてくれてありがとう」


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