FAKE‐LAKE
夕闇の中へと一歩足を踏み出したレイは、ぷつりと糸が切れたように地面に倒れた。

さっきまで彼を包んでいた青白い光はもう消えている。シアナは恐る恐るレイに触れた。

感電しない事を確かめ、シアナは急いでレイを抱き上げる。

「呼吸が弱い。体温も下がっている」

顔色を失ったセティを背負っているアツキにシアナは言った。

「知り合いの病院がある。一か八か二人をそこへ連れていく、急げ」




研究室に踏み込んだ上官は倒れている博士を逮捕し、床に残る血痕を見て唸るように溜息をついた。

「兵器の姿がありません。すぐに捜査網を」

「その必要は無い」

落ちていたセティの眼鏡を拾いあげ、上官は淡々と言う。

「恐らくセトナが追っているだろう。どちらにしろこれだけの傷を負っていれば先は長くない。最期くらいそっとしておいてやれ」

セトナ自身も無事かどうか、と大破した扉を眺めながら声を出さずに呟く。

どちらにしろ彼は最初から捨て駒だった。予想外に有能な働きをしてくれたが、博士を逮捕出来た以上もう用はない。


上官は冷静にそう結論を下しながら、心のどこかでセティが“綺麗事”を貫いている事を願う自分に気づき、自嘲するように笑った。


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