FAKE‐LAKE
「レイの意識が戻りそうです」

「え、本当に!?」

「ええ」

喜ぶアツキにシアナは淡々とした表情で答える。

「喜ぶのは早いですよ。意識が戻るだけで、レイがどんな状況か―――記憶があるか、体に異常はないか等まだわからない事が沢山ありますから」

「あ、はい……」

「あれだけ残酷な扱いを受けたのだから心のケアも必要ですし。目が覚めただけでは喜べないのです」

とりあえず来てくださいとセティに言う無愛想なシアナの後について行く。

車椅子を押しながらアツキはセティにこっそりと囁いた。

「なんだってあの人あんな無愛想なんだ?普通、目が覚めただけでも嬉しいだろ」

「アツキ、シアナ氏は素直じゃないんだ。嬉しいんだけど嬉しいと言えないんだよ」

「何だよただの意地っ張りかよ」

「そうそう。そう考えるとなかなか可愛い人だろ?」

先を行くシアナの頬がひく、と引き攣っていた。


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