FAKE‐LAKE
「僕、旅している間に本物の“湖の国”を見つけたんだよ」

「本物の?」

「うん」

レイは湖の絵に視線を戻した。

アンジェに出会ったばかりの頃、レイが何度も見ていた絵。

碧い湖、晴れ渡る空。白く霞んで見える対岸の街。

「どんな所? どこにあったの?」

すぅ、とレイは深呼吸して答えた。

「ここ」

「え?」

不思議そうに聞き返すアンジェを、レイはゆっくりと振り返った。

その明るい笑顔は、陽の光を浴びて輝く湖のきらめきによく似ていた。

「家族が待っている場所。本当の故郷、帰れる場所。そう、アンジェの居るここが、僕にとっての“湖の国”なんだ」




‥‥END‥‥


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