1秒後の奇跡【超短編】

12月24日


PM 22:34


窓ガラスに映る自分の姿を見て、思わず溜息が漏れる。


こんな日にバイトってだけでもうんざりなのに。


俺の頭の上には赤と白のふざけた帽子が乗っている。


こんな事なら、女のいない連れとバカ騒ぎした方が、何ぼかマシだった。


明日の朝まで働いて、帰ったら爆睡。


そして何事もなかったかのように終わるんだ。


今年のx'masは。


なんて事を考えていた俺の前に、カップルが大量のアルコールを差し出す。


そいつらに視線を合わせたくなくて、もう一度窓ガラスに映る自分に目をやった。


なあ、サンタさんよ?


こんな日くらい、何かすんげー奇跡が起きたってイイんじゃね?


なんて。


ある訳ねえか。


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