‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 薫くんは閉じたままの携帯を握り締め
 ながら俯いていて、あたしはその携帯
 を見つめたまま。



 お互い何も話さないから、あたしから
 話題を振ろうかなと思ったとき――、



 「俺の話してもイイ??」



 意味の分からないことを言い出した。



 でも取り敢えず二、三度頷くと薫くん
 は話し出した。



 「ちーちゃんいるじゃん??あ、千代ち
  ゃんね。アイツ、俺の初恋の人なん
  だ」



 「………は??」



.
< 83 / 90 >

この作品をシェア

pagetop