音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
さては、その言い方……


絶対、中身が何か知っている言い方に違いないな。


クッキーの時のように騙されないんだから。



「開ければいいんでしょ、開ければ」


分かっているならさっさっと教えてくれればいいのに。


留めてあるシール剥がそうと……
って、剥がしたような痕跡発見。


やっぱりママは中身が何か知っているんじゃん。


それより、あたし宛の物なんだから勝手に見ないでよ。


恥ずかしいじゃん。


キリッとママを一睨みしておいて、あたしは中身の確認。



ん……
束みたいになっている。


「――― っ……」


何なのよ、これ。
こんなことされたら……


「まおが入院したからみんなで一言ずつメッセージを書いたんだって」


『まおちゃんへ

2-4のみんなより』


黒い思いが少しずつ……
流れて行くように感じた。







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