音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
ヒマそうな人を発見!



「リーカちゃん!」


「あっ、まおちゃんどうしたの?」


「遊びに来ちゃった」


へへへっと笑い顔を緩めた。


リカちゃんとあたしは結構席が離れている。
こうやってどっちかが動かないと話せないんだ。



「優は桐谷くんとどこか行ったみたいだね」


パタンと開いていたノートを閉じた。


リカちゃんの前の席が空いていたので、イスを引いてリカちゃんの机にヒジをついて向き合った。


「朝は4人で一緒に来たんだよ」


そう、朝はいつもどうり4人で登校。
教室に入ったらバスケ部員が陽太くんに話しかけて優ちゃんもどこかに消えちゃったんだ。


「また夏休みみたいに“マネージャー”手伝ってってお願いじゃないかな」


「かもね」


優ちゃんは今年の夏休みに陽太くんの所属するバスケ部のマネージャーをやったんだ。


だから肌は小麦色。
合宿とか大変そうだったけど、楽しかったみたい。






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