ラブ@メール


「お嬢様!!」


何度か会ったことのある、咲の家のお手伝いさんが車から出てきた。

そして、咲をきつく抱きしめる。


咲の家は、お父さんもお母さんも仕事で忙しく、滅多に帰ってこない。

お金持ちだけれど、やっぱり寂しかったのかもしれない。

寂しい気持ちは、私もよく知っているから分かる。


彼女は「またね」と言って、私とハルに手を振り、車に乗り込んだ。

彼女の乗った車は、巨大なビルの谷間に消えていった。


< 93 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop