ヤギと羊のマイロード
 
すると突然、金切り声が教室内に響いた。
一人の女子生徒が教室のド真ん中で、こちらを指差して立っていた。
 
彼女の名前は、フラム・M・カスタード。フランス人と日本人のハーフで、古くから代々続いている「カスタード家」のお嬢様らしい。
 
僕が高校1年のときに転校してきた、帰国子女だ。
 
長い金髪に蒼い目、スラリとしたプロポーション抜群のスタイルを持つ上に、成績優秀・運動神経抜群をも兼ね備えている、言わば「学校のアイドル」だ。
ただ…
 
「…委員長、どうかした?」
「どうかした?じゃないわよ!アンタ、今週の週番でしょうが!」
 
恐ろしい程に、口が悪いのだ。
 
「あぁそっか。ごめんごめん、忘れてたよ。」
「忘れてたよ、で許されると思ってるわけ?」
「…だから素直に謝ったじゃないか。」
「謝れば済む問題じゃないのよ!」
「…じゃあどういう問題なのさ。」
「アンタねぇ…。もう一人の週番に迷惑を掛ける、とか考えないの?」
「…じゃあその人に謝ればいいんだね。で、もう一人の週番って誰?」
「今、アンタの、目の前にいる、アタシよ。ア、タ、シ!」
 
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