恋 理~renri~
それに東大では、恋愛講座なんて無かったし・・・
「ハイハイ、認めるから。
だから、詳しく説明してね?」
まだ笑い続ける泉を窘めると、本題であるその続きを急かした。
「…川崎さん本人に教えて貰えばー?」
笑いが収まった彼女に、焼き鳥を口にしながら返されてしまって。
「はっ、な、なに言ってんのよ!?
ワザワザそんな恥ずかしい事聞けないし!
大体ねぇ、泉が持ち出したんでしょうが…」
呑気に食している女王様の横暴加減には、ホトホト疲れてしまう。
「ていうか、言っても良いけどぉ。
確かに人から教えて貰って、救われたり嬉しい時もあるけどさ…。
恋愛に関しては、どんな些細な事も当人同士で解決するべきと思うの。
今まで恋愛に賭ける割合がゼロだったんだから、いい機会じゃん?」
「・・・・・」
泉にしては珍しく論理的で、それでいて納得の出来る発言だからこそ。
反論どころか、重ねて尋ねる事すら出来なくなるよ・・・
「ま、頑張って、恋愛初心者のエリートさん?」
「はは・・・」
次々と料理を平らげる女王様に、苦笑しか出来なかった。