恋 理~renri~
そんな会話をしている最中、ウトウトしていた亜実が横たわって眠り始めた。
私はバックからショールを取り出すと、亜実の身体にふわりとかけた。
亜実の寝顔は天使のような安らかさで、この寝顔からいつも元気を貰っている。
何よりも大切で、この世に1人きりの血の繋がった大切な妹だから…。
「い、泉っ!」
「何よ、いきなり!?」
冷酒を飲んでいた泉は、私の大声で危うくお猪口を落としそうになった。
「亜実のこと、ハッキリと話してなかった…」
「ハァー、何やってんのよ?」
「だって…、話そうとした時にタイミングよく現れるからぁ…」
やっと決心ついて言おうとしたのに、泉の登場ですっかり流れてしまったのだ。
「何よ、私のせいだって言いたい訳!?」
「う…」
ジロリと睨まれた私は反論するのを留めて、代わりに口を尖らせていると。
「アンタねぇ、ちゃんと言いなさいよ?
そういう些細な事でも、すぐに誤解が生まれるの!
川崎さんなら大丈夫って、そう思えたんでしょ?」
「う、うん・・・」
「なら、早く連絡しなさいよ!」
女王様の正論に耳を傾けつつも、いざ言おうとすると口を噤みたくなって。
これって私…、どこかで“負い目”に感じてるの…?