恋 理~renri~


そうして目覚めた時はすっかり朝で、少しイジけたような彼が凄く可愛かったけど。



“今度は寝かさないから”なんて言われて、キスが降り注いだのよね・・・




「へぇ、初夜までお楽しみをとっておくワケね?」


回想していればバレていたのか、ニヤニヤと楽しそうに笑う泉を捉えた。



「違うってば…、もう」


「あーあ、まさか真咲に先を越されるとはねぇ。

良いオトコ見つけたじゃん?」


「うん、ありがと」


「まっ、私は恋愛マスターらしくハントし続けるけどぉ」


ニヤリとハンターの目つきを見せつつ、こちらへ空のカップを差し出してきて。



紅茶好きの泉には堪らない高級ティーは、これで何度目のおかわりだろう?



ティーポットから移す作業すらしないのだから、本当に女王様だよね…。




「泉ちゃん、どーしたの?」


「ふふっ、恋に忙しいんだって…」


高らかに笑い続ける泉に、意味も分からず首を捻る亜実の姿でまた笑いが零れて。



まさかこんな風に、泉との恋バナが楽しいと思える日がくるとはね・・・




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