恋 理~renri~
ちなみにオトした男性に借金が発覚して、泉がブチ切れて振ったらしい。
お金にルーズなヤツは、愛だって周りの女に叩き売りするに違いないからとか…。
「あのね、アンタよりは間違いなく場数踏んでんの。
ついでにリサーチも怠んない私のデータに、何か不備があるとでも?」
「ハハ…、滅相もございませんですよ」
怒る観点が違う気もしないでもないけど、その迫力と説得力はピカイチだしね…?
「フンッ、…真咲のダンナより、極上の男見つけてやるからね?」
そんな不運にもめげずに立ち向かう強さは、流石の自称恋愛マスター泉様だ。
「うん…、ありがとう泉」
「ちょ、ちょっと…!メイクが剥げるでしょうが…!?
今日出席する男にも、少なからず期待してんのに…」
「ごめんごめん…、やっぱりハンター業は年中無休なのね?」
「当たり前よ。少なくとも真咲よりは注目浴びるし?」
「ふふっ、女王様には敵わないよ…」
お礼を伝えればテンぱる彼女は、いつも通り素直にはなってくれないけど。
その強い口調と言葉ひとつひとつに、私だけに伝わる優しさが隠れているから。
いつでも私と亜実を支えてくれた泉は、親友でいて憧れる存在なんだ・・・
「真咲ちゃん、入るわよー!」
そうして雑談を重ねていると、ドア越しに大きく威勢の良い声が聞こえた。