恋 理~renri~


男らしいトコロがあるのに、どうして仕事だと発揮出来ないのかしら…?



「…まったく、もう」


イマイチ決まらない宇津木くんの優柔不断さに、ハァ…と深く溜め息をついていると。



「――アンタさ、何で仕事だと鬼になんのよ?」


「仕事だから、よ」


ソレ以上に深すぎる溜め息をつく失礼さに、ムッとしながら訂正したのに。



「こわっ…!貰い手があっただけ感謝すべきね」


「…泉、幾らなんでも失礼でしょ」


「ハッ…、ホントの事言って何が悪いワケ?」


「…ハイハイ、すみませんね」


やっぱり鼻を鳴らす勢いで言い返されるから、私は今日も歯が立たない。



せっかく美人な顔とスタイルを着飾っていても、発言がキツすぎる彼女。



相変わらずの女王様は、今日も舌好調だからある意味困りモノだよ…。



「ったく…、あー…次のオトコは真面目なSEで攻めるか――」


「…システムエンジニアが真面目かなんて、分かんないでしょ?」


オマケに私の発言に舌打ちした挙句、話まですり替える凄さには感服よ。




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