恋 理~renri~
そ、卒業って・・・
背中にツーっと、冷や汗が流れるのを感じつつ。
何か言いたげなその顔を、ずっと窺っている私。
「でも、嬉しいんだよねぇ。
真咲が、やっと恋に落ちちゃったみたいで!
これでも私、心配してたのよぉ?」
ウンウンと頷きながら、そう言われて。
「っ・・ち、違うっ!
“相談”とは言ったけど、“恋バナ”なんて言ってない!」
図星だからこそ、激しく否定してしまう。
恋バナって・・・
口に出してみると、恥ずかしいフレーズだね。
「ハッ、素直じゃないわね。
じゃぁ、何よ? エリートのアンタにOLの私が、仕事のアドバスでもしろって?」
泉は勝ち誇った顔で、私をジロリと睨んでくる。
「・・・・・」
これではもう、“蛇に睨まれた蛙”状態。
・・・ここで、勝負アリ。
「フフッ・・・この恋愛マスターに任せなさい?
あ~楽しみだわっっ!!」
高らかな笑いを受けて、さらに居た堪れなくなる私。
・・・大丈夫なのかしら――