紫陽花
夜が深まり
静かな時間、


小さい頃はお母さんがよく子守唄を歌ってくれたんだよね。



「太陽、寝れないの?」



「不安なの?」



返事のない太陽に
あたしは一人で
はなしかけていた。



梅雨の季節とは思えないほど、
空は晴れて
星がひかってた。



あたしは太陽のとなりに座って
太陽はあたしのひざに頭をのせて



静かに泣いていたんじゃないかと思う。



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