狂愛~狂うほどに君を~



キッチンに近づくとカチャチャと音が聞こえてくる。


それに食欲を誘うなんともいえないおいしそうな香り。


誰かいるのだろうか。



『泉さん!』



そこにいたのは泉だった。


泉とゆずの目があう。



『おはよう』



優しく微笑んでくれた泉。


ゆずはホッとして泉の元へ歩み寄った。


もしかしたらもう笑顔をみせてくれることはないのではないかと思っていたから。


泉のふんわりとした笑顔がなんだか胸にジンときた。



『一緒にご飯食べましょうか、ゆずちゃん』



泉がゆずの頭をそっと撫で、ゆずは泉の言葉にゆっくりと頷いた。



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