狂愛~狂うほどに君を~
『千さん・・・私・・』
物陰に隠れていたゆずが遠慮がちに千に近寄る。
『ああ、分かっている。お前のせいではない』
千はゆずの肩を優しく抱きゆずの目元にキスを落とした。
ゆずの感じている責任を少しでも取り除いてあげたくて。
『私、最低ですね』
千がそばにいない間、そばにいてくれた泉。
愛情をもって接してくれていた。
本当に優しくしてくれていた。
信頼しあっている二人が好きだった。
でも、その関係に溝をいれてしまったのは自分自身だ。
例え、無理矢理に唇を奪われたとしても泉のことを嫌いになることなんかできない。
むしろ、心が痛むのだ。
千がそばにいてくれる。
でも、泉もいなくては意味がない。
あの日、千がゆずを連れ帰った日。
その日からゆずの世界は二人で成り立っていたのだから。