狂愛~狂うほどに君を~
千とゆずは少し歩き空を眺めた。
握った手は離さない。
離せない。
今日だけは、ずっと繋がっていたかった。
心が不安定なわけではない。
寂しいわけでもない。
安心したいわけでもない。
ただ、今日はこうしているのが自然な気がした。
とても、とても
穏やかな時間だった。
2人で見上げた空はどんよりとしていた。
それでも心はあたたかい。
じんわりと
やんわりと
お互いがお互いを包み込む。
初めて感じた。
運命という意味を。
きっと、この人が全てになっていく。